キャリアアップを考える際に、介護業界では注意すべき点が2つほどあります。まず1つ目は、施設との直接雇用を選ぶことです。
高時給である派遣の仕事は、介護の世界においては魅力的です。条件の良い仕事を選べば、日勤のみの週5日勤務でも介護士の平均年収以上を稼ぐことも出来るかもしれません。しかし、職場にいるのは長くても1年から2年程度であり、いずれ他所の職場へ移動してしまう派遣職員に対しては、重要な仕事を割り振らない施設もあります。このため、派遣で働くことはスキルアップにはつながらないケースもあります。
介護業界は人手不足であるため、雇用面では派遣で働くことのデメリットは少ないと言えますが、幅広い仕事をやりたい場合には、給料面のデメリットを我慢して、直接雇用の仕事を探したほうが無難かもしれません。
2つ目の注意点は、資格試験の実務経験に関する問題です。介護関連の資格は、基本的に3年から5年の実務経験を経て、初めて受験資格を得られるものが多く存在します。介護業界でのキャリアアップには、地道な実務経験を重ねて資格を取ることでもあります。管理側に回りたい場合は、ケアマネージャーの資格などが必須になりますが、介護施設によってはケアマネージャーの受験に必要な実務経験の対象外となるところもあります。その代表的な施設であるのが通所介護を行うデイサービスです。
デイサービスは要介護度の低い利用者が多く、夜勤がない仕事であるため、女性の介護従業者に人気の高い仕事です。しかし、キャリアを構築する場所としては相応しくありません。デイサービスの仕事は、キャリアを磨くよりも、自分らしいワークライフを送りたい方に向いているのです。